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ソーラーパネル ▼近所の家電量販店を検索する 【概要】 ソーラーパネル(solar panel)は、太陽電池をいくつも並べて相互接続し、 パネル状にしたもの。太陽電池パネル(photovoltaic panel)、 太陽電池モジュール(photovoltaic module)とも。 ソーラーパネルはさらに大きな太陽光発電システムの部品として使われ、 商用や住宅用に電力を供給する。 1枚のソーラーパネルが発電できる電力は限られており、通常は複数枚並べて設置する。 これを太陽電池アレイと呼ぶ。太陽光発電には、ソーラーパネル群、インバータ、二次電池、 それらをつなぐ配線などが必要である。 太陽光発電システムは電力網と接続することもあるし、 接続せずに単独で使用することもある。 また、人工衛星や宇宙ステーションでもよく使われている。 ソーラーパネルは太陽からの光エネルギー(光子)を使い、 光起電力効果を応用して電気を発生させる。 モジュールの構造を保持するのは上層の場合(表板構造)や下層の場合(基板構造)がある。 よく使われるのはウェハーベースの結晶シリコンを使った太陽電池とテルル化カドミウム またはシリコンを使った薄膜型の太陽電池である。 結晶シリコンは半導体製造の原料でもある。 太陽電池を実用的なものとするには、まず複数の太陽電池を電気的に相互接続し、 システムの他の部分と接続しなければならない。また、製造・輸送・設置・利用の各段階で 壊れないよう保護する必要がある。特に、雹(ひょう)や雨、積雪の重みが問題となる。 特にウェハーベースの太陽電池は脆いので注意が必要である。 湿気が内部に入り込むと金属の配線や接続部分が腐食する危険性があり、 薄膜型の太陽電池や透明導電性薄膜層も湿気に弱いため、注意しないと性能低下や寿命短縮に繋がる。 ソーラーパネルは硬いものがほとんどだが、薄膜型の太陽電池を使ったものは柔軟性のあるものもある。 必要な電圧を確保するため、直列に太陽電池を接続し、電流を確保するためにそれらをさらに並列に接続する。 一部または全部が影に入ったり、夜になると電流の逆流が起きることがある。 それを防ぐため、別途ダイオードを使うこともある。 単結晶シリコンの太陽電池のpn接合は光が当たっていないときに逆電流を生じさせる特性があるが、 これは不要である。逆電流は単に電力を無駄に消費するだけでなく、 太陽電池が熱を持つという問題もある。太陽電池は高温になるほど効率が低下するため ソーラーパネルはなるべく熱を持たないのが望ましい。 冷却を考慮した設計のソーラーパネルはほとんどないが、 設置する際に背面から放熱できるようにするなどの工夫をすることが望ましい。 最近のソーラーパネルには、レンズまたは鏡を使って太陽光をより小さな太陽電池に集める集光装置を 採用したデザインのものもある。 単位面積当たりの単価が高い太陽電池(ヒ化ガリウムを使ったものなど)を使って 比較的安価なソーラーパネルを作ることができる。 ソーラーパネルの構成によっては様々な波長の光で発電できるが、 一般に太陽光のあらゆる波長をカバーすることはできない(特に紫外線、赤外線、間接光など)。 つまり太陽光エネルギーの大部分を捨てていることになる。 ソーラーパネルは適切な単色光を照射したとき最も効率がよい。 そこで、太陽光を複数の波長に分け、それぞれのビームをその波長が得意な太陽電池に当てるという 仕組みのソーラーパネルが提案されている。 また、赤外線を中心として発電できる太陽電池を使ったTPV(熱起電力)発電も提案されている。 ソーラーパネルの効率を表す太陽光変換効率は、市販されているもので5%から18%となっており、 一般にパネルを構成する太陽電池単独の効率より低い。 【機能】 結晶シリコンモジュール 結晶シリコンを使った太陽電池を採用したモジュールで、今のところ最もよく見られる。 単結晶モジュールと多結晶モジュールに分けられる。 薄膜モジュール 薄膜型太陽電池を採用したモジュール。 低コストで高効率である。 ガラス基板薄膜モジュール 硬い薄膜モジュールで、太陽電池とモジュールが同じ生産ラインで製造される。 太陽電池をガラスの基板または表板上に形成し、配線もその場で行う。 基板や表板は多層構造になっている。太陽電池としては、CdTe、アモルファスシリコン (a-Si)、 a-Siとuc-Si(単結晶シリコン)の多接合型、CIS系などがよく使われている。 アモルファスシリコンの太陽光変換効率は6%から12%である。 フレキシブル基板薄膜モジュール 柔らかい薄膜モジュールで、こちらも太陽電池とモジュールが同じ生産ラインで製造される。 主にポリエチレンテレフタラート (PET) の基板上に太陽電池を形成する。 他にも、ポリエステル、ポリイミドのフィルムが使われる。 これらは絶縁体なので配線もガラスと同様容易である。 基板に電気伝導体を使う場合は、別の技法を必要とする。 主にアモルファスシリコンを使った薄膜型の太陽電池を無色透明のフッ素樹脂上に形成して そちらを表面とし、裏面を別の樹脂フィルムで補強する。 IntertechPiraによると、フレキシブル基板を含む薄膜型太陽電池市場は2019年まで年率35%で成長すると予測されている[6]。 電子回路組み込み型モジュール 太陽電池モジュールに電子回路を組み込んだものが製造され始めている。 それによって個々のモジュールが最大電力点追従 (MPPT) を行ったり、 稼働データを監視してモジュールレベルで障害発生を検出する。 ソーラーパネルの価格を調べる 【メーカー】 シャープ 京セラ 三菱電機 三洋電機 東芝 ソーラーフロンティア サンテック カナディアンソーラー ▼近所の家電量販店を検索する ▼お得なWEBチラシを検索する
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消えた粗大ゴミ ▲upThu, 19 Oct 2006 23 46 29 GMT 今回引越しをして、家具など不用品の処分に困り、 職場で相談したら、 区が粗大ゴミの回収をしてくれていると知った。 今までそんなシステムがあることを知らなかった。 粗大ゴミ回収業者もいるらしいが、区の処分に比べると 最低数十倍の料金がかかるらしい。 そんな費用はもったいないと、 早速区の清掃事務所に連絡したのだが、 2~3週間先でなくては空きがないと言う。 仕方ないので予約をした。 その回収日が今日だった。 当日の朝8時までにマンション一階の粗大ゴミ置き場 に出しておいてほしい、と言うので、 当日の朝では忘れてしまっては大変と、 昨晩出した。 引越し先まで持ってきてしまった、キッチンで使う2台のワゴン。 私の背より高いものだ。 電子レンジとオーブンレンジと炊飯器が一度に置けるものと、 食器やお鍋を置いてあったワゴン。 どちらもステンレス製で大きく重い。 結構高価だったけれど、 今となっては邪魔なだけになってしまったので、 仕方なく処分を決めた。 私はこういう作業には慣れていないけれど、 この程度の移動で、誰かに頼んでは御礼が面倒だと思い、 なんとか頑張って一台ずつエレベーターで運ぶことにした。 区の粗大ゴミ用の処理券をコンビニまで買いに行った。 一台800円。300円券2枚に200円券1枚。 フルネームや部屋番号、日にちや受付番号を記入して貼り付けた。 ワゴン一台運ぶのに5分はかかった。 二台目を運ぶ前にちょっと休憩してお茶を一杯飲んで、 二台目のワゴンを運んだ。 やっとの思いで粗大ゴミ置き場に到着すると、え?? さきほど運んだ一台目のワゴンが・・・ない!! 駐車場や普段のゴミ置き場を探したけれど、 ない。 消えた。 数分で。 もう二台運んで疲れてしまったので、 消えたことは気にせず部屋に戻った。 朝、可燃ごみを捨てるためにゴミ置き場に行くと、 は!? 二台目のワゴンもない!! どういうこと!? 清掃事務所に電話して、早朝に回収に来たのか聞いてみたら、 「8時~15時半の間に伺うので、深夜や早朝に回収はしていません。」 と言うではないか。 二台のワゴンが数時間で消えた。 どういうことなのか・・・謎だ 前の日記 次の日記 桜の欲求不満日記
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※この記事ではSFC版『パネルでポン』のほか、海外版およびサテラビュー配信のSFC版『ヨッシーのパネポン』も扱います。 パネルでポン 概要 ルールと特徴 評価点 システム面 演出面 賛否両論点 問題点 総評 余談 ヨッシーのパネポン 概要(ヨッシー) 変更された点 余談(ヨッシー) パネルでポン 【ぱねるでぽん】 ジャンル アクションパズル 高解像度で見る 裏を見る 対応機種 スーパーファミコン 発売元 任天堂 開発元 インテリジェントシステムズ任天堂 発売日 1995年10月27日 定価 5,800円 プレイ人数 【SFC/Wii/WiiU】1~2人【3DS】1人 セーブデータ なし レーティング CERO A(全年齢対象)※VC版より付与 配信 バーチャルコンソール【Wii】2007年11月27日/800Wiiポイント(税5%込)【WiiU】2013年5月29日/800円(税5%込)【New3DS】2016年8月9日/823円(税8%込) 書換 ニンテンドウパワー1997年9月30日/1,000円/F×2・B×0 判定 良作 ポイント 後付けで次々作れる「アクティブ連鎖」豊富なゲームモードと良演出&BGM賛否を呼んだ妖精キャラクター パネルでポンシリーズ 概要 1995年、年末前のゲーム閑散期かつプレステVSサターン間の次世代ゲーム機戦争の最中に突如発売されたアクションパズル。 任天堂は1990年の『ドクターマリオ』からファミコンとゲームボーイへ定期的にパズルゲームをリリースしてきたが、移植を除くと初めてスーパーファミコンに軸足を移し、さらに既存の人気キャラクターに頼らず、独自の新キャラクターを登場させた。 また上位ハードへの移行に伴い演出の強化やゲームモードの多数追加など相応の向上が図られている。 ルールと特徴 本作は落ち物パズルに分類されるが、上から降って来るのは対戦時に登場するおじゃまパネルのみ。 パネルは横一列に6枚、時間経過とともに下から徐々にせり上がってくるが、LボタンまたはRボタンで任意にせり上げることもできる。 パネルがどこか1か所でも上部の天井に触れ、その状態で暫く経つとゲームオーバー。 プレイヤーが操作するのは横一列2マスのカーソル。ボタンを押す事で左右のパネルを入れ替えて運ぶ事ができる。同色のパネルを3枚以上縦又は横にそろえる事で消滅する。 1回の入れ替え動作で4枚以上のパネルを消すと「同時消し」となる。すべて同じ色でなくても4枚以上なら同時消しと判定される。 消滅したパネルの上部に乗っていたパネルは重力にしたがい落下する。落下後消滅条件が揃っていれば「連鎖」が発生する。 対戦では同時消しをする・連鎖する・攻撃用の「!」マークパネルを消すことにより相手におじゃまパネルを落下させることができる。 重要テクニック「アクティブ連鎖」 パネルの消去中にせり上げ動作はできないが、カーソルの移動やパネルの入れ替え操作は受け付けられており、ほかのパネルを移動させることができる。 パネルは揃えてから完全に消滅するまでには若干の間がある。その隙に他のパネルを持ってきて連鎖になるよう揃えておき、続けて消えれば連鎖として判定される。このように作った連鎖をアクティブ連鎖という。 対戦のおじゃまパネルは画面上部から降って来る。隣接するパネルが消滅すると、何かしらの色パネルに「解凍」される。 おじゃまパネルが解凍して誕生したパネルが落ちる前に、真下のパネルをあらかじめ揃えることによってもアクティブ連鎖が作れる。 厚いおじゃまパネルでこれを起こした場合には、落下による連鎖とともにおじゃまパネルの解凍が起こり、反撃につなげることができる。これを「おじゃま返し」といい、対戦では非常に重要なテクニックとして扱われる。 ゲームモードは1人用5モード、2人用2モード。 1人用のゲームモードは以下のとおり エンドレス:ひたすら自分の限界までパネルを消し続ける。99999点でカウンターストップとなり、以降点数は入らない。到達時間は記録されないものの上達の目安になる。 スコアアタック:2分間で獲得できる得点を測定する。ベスト5入りでネームエントリー可。 ステージクリア:規定ラインまでパネルを消すと面クリアとなるモード。30面+αで構成。パスワードコンティニュー可。 パズル:規定入れ替え回数ですべてのパネルを消す。表面60+裏面60構成。こちらもパスワードコンティニュー可。 VS:コンピュータと対戦するストーリーモード。HARD以上では終盤の対戦相手が追加され、ストーリーの真相を見ることができる。 2人用はいずれも対戦用の同時プレイとなる。「スコアアタック」では2分間の得点数の高い方が、「VS」では相手がゲームオーバーになれば勝ち。2セット先取で1ポイント獲得。 このほか遊び方を説明する「プレーのしかた」、連鎖・同時消し・アクティブ連鎖のテクニックデモを見る「じょうたつへのみち」がある。 主人公は本作初出の新キャラクター「花の妖精リップ」。舞台は自然を司る妖精と動物たちが住む世界「ポップルス」。 登場キャラクターはリップのほかに仲間の妖精8人と、敵キャラクターが4人いる。 評価点 システム面 パネルを左右に運んで並べて消すだけと大変解りやすいシステム。一方で上級者同士の対戦は駆け引きが熱く、プレイヤーを選ばない。 パネルを持って来て並べるというのがセオリーなので、綿密に連鎖を組むことは必須ではない。 対戦のおじゃまパネルはパネル消去処理の終了後に上から降ってくる。連鎖を組んでいる途中で連鎖の起点が埋もれて消せなくなる、ということはない。 あらかじめ連鎖を組んでおくスタイルでも、カーソル操作に任せたスピードスタイルでもよし。特にアクティブ連鎖を極めると熱い対戦になること間違いなし。 1人用だけでゲームモードが5つあり、それぞれエンディングを用意。モードによっては難易度設定、スペシャルステージや裏面も搭載されているなど、プレイヤーのやる気を煽る構成。 当時の落ちものパズルでもこれだけゲームモードを揃えた上にエンディングも別となっている作品はあまりない。 パズルの問題は基礎的な連鎖や同時消しの定型となっているものも多く、他のゲームの上達にも役立つ。 エンディングの内容について詳しくは後述。 多数の隠しコマンドや裏技が用意されており、それにより解放される要素の数が豊富。各ゲームのエンディング後には主に難易度上昇などの隠しコマンドが公開される。 + 非公開の裏技には攻略に役立つものだけでなくお遊び的なものもある。 1人用のVSデモ、2-8ステージの時にデモをスキップせずX.Yを押し続けると、本来ここでは使えないリップ以外の妖精が使える。腕に自信がないがリップをゲームオーバーにさせずにエンディングを見たい時に使うと便利。 同様に1人用のVSデモでセレクトを押したまま十字キーを押すとデモ画面内の虹や地面を動かせる。しかもスタッフロールでも有効。当然こちらは攻略には全く役に立たない。 A・Bボタンを押しながらスタート・セレクトボタン同時押しでリセットができる。エンディング後メニューやタイトル画面に戻れない本作では地味に便利。 裏技扱いにされているのは謎だが。 いわゆる「ソフトリセット」であり、SFCの実機でいうリセットボタンを介さずにリセットするもの。これ以外のSFC向けソフトにも一部で採用されていたが、それらの多くはスタート・セレクト・Lボタン・Rボタンの同時押しであり本作のコマンドはやや特殊な例ともいえる。なお電源を切らずにリセットできるため、後述のバックアップ機能がないことによるハイスコアや各ゲームモードの進捗初期化を回避可能である。 演出面 アクションパズルにしてはグラフィックや画面構成のデザイン、BGMなど演出面に凝っており、それらの質も良い。 ゲームタイトル通り、パネルは消滅時にポンポンと音を立てるのだが、連鎖が続くにつれて音が変化。さらに爆風とファンファーレも派手になっていく。まとめて消した時の爽快感は相当な物。 パネルは★▲◆などごく平凡な図形が描かれており、天井に近づくと図形が上下に震えだす。そして消滅時には なぜか変顔を披露しつつ消えていく 。 このパネルの変顔化についての設定説明はとくにない。パネルってもしかして、生き物…? ゲーム画面の背景、BGM、連鎖・同時消し時のボイス、パネル消去時の爆風、おじゃまパネルの柄は原則としてキャラクターごと個別に用意されている。 VSを除く1人用ゲームでは6人の妖精それぞれの世界をモチーフとした背景とBGMでプレイする。 左側にはディフォルメ頭身の妖精がおり、まばたきは当然のこと、連鎖・同時消しのボイスに合わせて口パクする。 右にいるマスコットの動物は飛び跳ねる、羽ばたくなど様々な動きを見せる。大連鎖や大量の同時消しをするとアクションも派手になっていく。 VSも各キャラクターの世界をモチーフにした背景とBGMの組み合わせとなっている。 各プレイヤーのゲームフィールドにはポーズを決めたキャラクターが大きく描かれており見栄えがいい。 2人分のゲームフィールドがあるぶん、周囲の背景はスケールダウン感はあるものの、各種オブジェクトがアニメーションするなど、細部に抜かりはない。 フィールド背景のキャラクターはアニメーションしないが、画面中央上部にはドット絵のちびキャラがおり、こちらは攻撃や勝敗などでさまざまなアクションを起こす。 さらに勝つと実体化し飛び跳ね続ける獲得セットの勝ち星、キャラごとに異なる時間表示部の模様アニメーション、1人用VSでステージ9以降の敵キャラに負けると自キャラの負け台詞が表示されるなど、さりげなく凝った演出やデザインが多い。 ゲームモードごとに演出とBGMの異なるエンディングを用意。全ゲームモードを制覇する楽しみがある。 「エンドレス」「スコアアタック」ではゲームオーバー時の獲得点数で結果発表時およびエンディングのBGMが変わる。 これらはゲームオーバー後画面は遷移せず、ゲームフィールド内で結果発表やスタッフロールの表示が行われる。つまり、ゲーム開始時に選択したキャラクターの背景でエンディングを見ることになる。 「ステージクリア」「パズル」「VS」ではクリア後、それぞれグラフィック・BGM・スタッフロールなどの演出が異なるエンディングを見ることができる。 さらに「VS」では難易度やリップの負けの有無でストーリーの進行が変わる。 EASY、NORMALでは途中終了し、ストーリーが最後まで完結するのはHARDから。 EASYはステージ10で途中終了する所詮練習モード。クリアするとリップがより難しいモードでプレイするよう勧めてくる。 + この画面で放置すると… リップが「 ウラワザなんてないわよ! 」とか「 はやくぅ リセットをおして! 」とかメタ台詞を言い出す。主人公がここまで言うゲームも珍しいだろう。 スタッフロールは各ゲームモードごと文字の現れ方や、スタッフ名の日本語表記が変えられている。 漢字で上下左右から出てきたり、あるいはかな表記だけで下から上へ流れていく物だったり、という具合。 豊富で良質なBGM。 パズルゲームにしては収録曲数が多い。曲数が多いにもかかわらず質のムラもなく、場面やキャラクターイメージに合致している。そのためプレイヤーからの評価は高い。 ゲーム中はキャラクターごと固有のBGMがあり、パネルがせり上がったピンチ時にも曲が変わる。 エンディング曲の多くは癒し系。これらの曲を聴きたいために何度もクリアした人も多いのでは。 一方、エンドレスでカウンターストップになった時のエンディング曲はやたらゴージャスで達成感もひとしお。 VSのゲームオーバー画面はリップの曲のオルゴール風アレンジ。これだけかと思ったら風の妖精ウィンディ、水の妖精エリアスの曲をアレンジした曲もある。 賛否両論点 『 魔女っ子もの 』という、これまでの任天堂には類を見ない女子向け色の強い登場キャラクターや世界観。ポップでかわいいキャラクター自体は任天堂の得意とするところではあるが、コンセプトやデザイン面からするとやはり異色。 当時のゲーム誌でも賛否抜きに「 任天堂らしくない 」とか「 任天堂どうした? 」とかさんざん言われた。 スタッフによると女性・子供受けを狙ったのとマリオファミリー頼みからの脱却を狙いあえてこのキャラクターを採用した、とのこと。 しかし、子供とはいえ男の子や大人の男性が手に取るにはやはり抵抗感を持たれ易いのは否めず、いわゆる『萌えキャラ』に否定的な層からもマイナス評価を受け易い。気恥ずかしさから対人戦では女子キャラを使わない、という男子プレイヤーもいたようだ。世界観やキャラクターを男子向けにした続編なども出なかった。 『ぷよぷよ』や『マジカルドロップ』はキャラクターやストーリーをはじめ作品全体に漂うコミカルなノリが持ち味としていたが、本作のキャラクターの性格は軽くなく、ストーリーもいたって大真面目。ギャグ要員は強いて言えば魔王くらいで、さらに味方キャラクターは全員少女と女子キャラ比率は高い。これも男子がとっつきにくい原因かもしれない。 多くの女子には抵抗なく受け入れられたようで「かわいい」「キャラクターが好き」と評するプレイヤーも多い。実際後述の『ヨッシーのパネポン』はキャラクターがヨッシーになってガッカリという声もある。 当時放送されたテレビ番組「スーパーマリオスタジアム」にてクリスマスプレゼントに欲しいソフトのアンケートを問題として出した際に「キャラクターがかわいいから」と本作を挙げた女児がいた。 パズルゲームの例に漏れず「母親が夢中になっていた」といった報告も見受けられる。ゲームに触れるきっかけとしてこのキャラデザも十分貢献したことだろう。 キャラクターによる性能差がない。 前述のとおりこのゲームではキャラクターごと固有の背景とBGM、攻撃ボイスがあり、演出面でははっきり差別化が図られている。性能差を設けなかったのは単純に好みで選んで欲しいとの理由かららしい。 任天堂っぽくない? 主人公リップ …とその仲間たち 少々シビアなストーリー展開 + (ネタバレ注意)ストーリーは「突如現れた魔物に妖精達が洗脳され、唯一無事だった花の妖精リップが妖精達の洗脳を解き、魔物を退治する」という物なのだが…… 実は魔物達はリップの母親、妖精の女王様(前述の女神)が作り出した物で、新しい世界の妖精女王を決めるという物だった。 しかし、魔物戦で敗北した仲間の妖精達が復活している様子は無く、魔物戦を全てリップ以外の妖精で戦い抜いても選出される女王はリップという被害多き出来レースエンディング。それまで妖精達の解放に尽力し、成し遂げたのは紛れもなくリップ自身の実力ではあるのだが…。 リップが一度でもコンティニューすると「まだまだ未熟」と女王の座を辞退する。ハードでノーコンクリアだと円満終了。しかしベリーハードでノーコンクリアすると本性(?)が…。 あまりにもぶっ飛んだこちらの結末は、ファンの間では 出来レース疑惑とともにネタ要素として受け取られている 。 上級者同士のおじゃまパネル対戦では長試合となりやすい。時間カウントストップの9分59秒越えもザラである。 巨大なおじゃまパネルを送る→おじゃま返しで相手から巨大なおじゃまパネルが…のくり返しとなり、攻撃して勝つというよりも、疲労による操作ミスや、パネルを消しすぎておじゃまパネルの解凍ができずに負ける、という展開になりやすい。 わざと連鎖を続けずに薄いおじゃまパネルを多数送る戦略もあるが、パネルの解凍・消去処理中はゲームオーバーにならず、連鎖や同時消しでゲームオーバーまでの猶予時間を延ばすことができるため、手際よくおじゃまパネルを解凍しその合間に連鎖や同時消しができる状況、または容易に対処できる上級プレイヤーの場合、あまり有効ではない。 この膠着状態を「おじゃま返しのラリーが続いて楽しい」と取るか「勝敗が一向につかずじれったい」と取るかはその時の状況やプレイヤーにもよるだろう。 問題点 2人対戦ではゲーム内で公開される隠しコマンドによりすべてのキャラクターが選択できるようになるが、エンドレス・スコアタックなど1人用では6人のキャラクターしか選べない。 当時のいわゆる大作ソフトが32Mbit以上なのに対し、本作はたった8Mbitしかないため、全キャラ分を作成できなかったと思われる。 COMプレイヤーのアルゴリズムに欠陥があり、特におじゃまパネル絡みの処理が総じて下手。 対戦相手によって操作速度の違いはあるものの全体的に4個以上での同時消しを優先する傾向が極めて強く、大抵の場合優先順位が「同時消し>おじゃまパネルの解凍ができる3個消し」になる。また、天井が詰まっているときに高い位置のパネルを溝に落としてフィールドを均す「整地」を行う場合があるが、この時なぜかおじゃまパネルの解凍ができる配置であったとしても整地を優先する。更に解凍後パネル落下までの猶予時間中に落下先のパネルを揃えて連鎖と「おじゃま返し」を継続するという、対戦での必須テクニックとも言える行動もほとんど能動的に行わない。一方でこの間も同時消しが狙える場合は仕掛けることが多い。 これらの結果として「 天井まで詰まっているのにおじゃまパネルと関係ない場所で同時消しを狙おうとし時間切れでゲームオーバー 」や、「 おじゃまパネルと関係ない所を消しすぎて揃えられるパネルがなくなり詰む 」というあまりに間抜けな幕切れとなることも少なくない。 おじゃまパネルの処理に不具合があり、後の作品では問題ない方法でもおじゃま返しが途切れたり、解凍中にフリーズを引き起こしたりする。 ただし、COM戦や初心者同士で戦う分にはまずバグは起こらない。 逆に上級者同士だと、フリーズしないと決着がつかないことも。「フリーズが起きるのは上達の証」と言われたりする。 パズルモードはプレイする問題を選択する形式ではなく、決められた順に問題をクリアしていく形式なので、解き方がわからない問題に出くわすとそこでゲーム進行が止まってしまう。 ヒントなどの救済措置もない。問題選択制やヒント機能は後の作品で採用された。 本作はROM容量の抑制とバックアップ機能の削除によって安価な価格を実現しているが、それにより若干の不便さが生じている。 ステージクリアとパズルの進行状況はパスワードで管理されるため、一度電源を切った後の再開が若干面倒。ハイスコアも電源を切ると消える。 当時ROM媒体でセーブ機能のないパズルゲームはむしろ主流だったが、本作ではパスワードコンティニューのゲームモードが2つあるうえ、経過時間も記録しているため8文字とそれなりに長い。 電源を切らない限りはパスワードを用いずに「つづきを はじめる」から再開可能。 VSモードについてはパスワードコンティニューや(電源を切らなかった場合の)「つづきを はじめる」も存在しないため、中断ができない。 総評 パネルを左右に動かして並べるだけだが、テクニックを習得すると自在に消去できハマるアクションパズルとしての出来はもちろんのこと、ファミコン時代の任天堂パズルに見られたパズルさえできればよいという思想から一転し、バラエティに富んだゲームモードや隠し要素、エンディング・BGMなどの演出面に至るまで8Mbitの低容量にこれでもかと盛り込んだサービス精神溢れる構成からいっそうの支持を得た。 任天堂らしくないと賛否を呼んだキャラクターについては「あまり好きではなかったがゲームの上達とともに好きになった」という人も多いようだ。後の他ゲームでネタにされているのも密かな支持を得ていることの裏返しといえるかもしれない。 パズルゲーム好きの諸兄ならキャラクターには目をつぶって一度はプレイしてみよう。 余談 CMはタイトル中の「ポン」に引っ掛けてか、 能楽師が鼓を打ち鳴らす というものだが、あまりにもゲーム内容からかけ離れた映像からゲームの中身や雰囲気を察するのは至難の業。結局広告も振るわず、売上的には散々な結果であった。 + 問題のCM(YouTube) この反省からか、後の作品ではヨッシー(ヨッシーのパネポン、後述)やポケモン(ポケモンでパネポン)など任天堂キャラとのコラボが行われている。 任天堂ソフト恒例の小学館による任天堂公式ガイドブックは存在しない。攻略本は当時の主要攻略本出版社だった双葉社・T2出版・ケイブンシャからそれぞれ発売されている。 同年発売の任天堂ソフトで同様に公式ガイドのないものはバーチャルボーイソフト全般と『カービィのブロックボール』くらい。『マリオのピクロス』と『マリオのスーパーピクロス』でさえ紙上問題集という形式の公式本が発行された。 3冊とも任天堂のライセンスは受けており、説明書等にはない公式イメージイラストが掲載されていたりする一方で、攻撃ボイスの説明が間違っている、プレゼントクイズの問題がアホすぎて脱力するレベル(*1)、などの突っ込み所もある。 本作は任天堂作品としての知名度は低いが、主人公であるリップはそれが原因で仕事が無い・腹黒といったキャラクター付けがファンになされている。 腹黒はファンが勝手に付けた物だが、本作VSモードのエンディングを踏まえれば納得いくものではある。 パネルでポンはこの後もシリーズ化されたものの、リップが出る作品は本作と隠しスキン扱いのDS版、GBC版収録の隠しゲームのみ。 特にGBC版はもともとリップ達が登場する移植作兼続編として制作されていたことがデータ解析により発覚している。 後の任天堂ソフト『キャプテン★レインボー』(Wii)でマイナーキャラの一人として登場。他のキャラはまともな性格をしているのが多い中、リップは正義感の強いおてんばから 花の妖精なのに花粉症で鼻水を垂らしている天然系アホ娘 と、ネタ要員性格に改変されてしまった。にもかかわらず一応本作メインスタッフの監修つきと半ば公式化すらしている。ちなみにパックンフラワーを育てている。 『スマッシュブラザーズDX』ではリップのステッキとおじゃまパネルが登場し、同『X』ではさらにアレンジBGMが用意されているものの、いずれもリップ本人は『SP』のスピリット以外に出演はしなかった。 海外版スマブラでは後述の事情も絡んでるのか、出典のタイトル名は『Panel De Pon』と表記されている。 本作はWii・Wii U・New 3DSのVCで配信されている(*2)。 残念なことにいずれも一部エンディング用BGMの再現度が低く、主旋律が途切れる・雑音が入るなどの異常があるまま放置されている。 また、ミニSFCにも収録されている。こちらも各VC同様再現の悪いBGMがある。 Wii U/New 3DSのVCでは「まるごとバックアップ機能」、ミニSFCでは「中断ポイント」機能によりハイスコアやパズル・ステージクリアの進捗を保持可能。 海外ではキャラを差し替え、かつタイトルを何故か『Tetris Attack』として発売された。このキャラ差し替え版は日本ではサテラビュー用番組『ヨッシーのパネポン』として配信された。基本的にはキャラクターをヨッシーアイランドのキャラに置き換えたものなのだが、細かな変更点がある。詳細は次節で後述。 GCの『NINTENDO パズルコレクション』にもパネポンが収録されている。 ゲーム内での言及はないもののSFC版直系の続編兼リメイク作であり、主人公はリップの娘フリルとなっている。CPUのAIは恐ろしく強化されたものの、他のバグや不具合が多め。 『ドクターマリオ パネルでポン』には本作の一部BGMをGBA音源で再現・アレンジした曲が収録されている。 『パネルでポンDS』には隠しスキンとしてリップと花の世界が用意されている。 京都精華大学にて、1997年から2007年まで同大学の学園祭中に大会が行われていた(2007年のみ諸事情で開催が翌年の2月末まで遅れた)。 2016年、『とびだせ どうぶつの森』のアップデート版となる同『amiibo+』にミニゲームとして「どうぶつの森パネポン」が収録された。 ゲーム内家具として登場するNewニンテンドー3DS、Newニンテンドー3DS LL各種のいずれかを入手するとプレイ可能となる。 ミニゲーム扱いとはいえ、ステージクリアモードをアレンジしたルールでどうぶつ達と対戦するストーリーモードをメインに、対人戦を除く一通りのゲームモードを揃え、パネル消去や柄変更などを発動させる「得意技」、変種パネルの「アメちゃん」など新要素も盛り込んでいる。 2020年5月20日に『スーパーファミコン Nintendo Switch Online』に収録された。 最大の特徴はフレンド限定とはいえネット対戦ができるようになったことだろう。DS版のネット対戦サービスが終了してから6年ぶりとなる。据え置き機では1996-1997年のSFC版XBANDによるマッチングサービス以来。 「どこでもセーブ」機能を使用することで一部のVC版と同様にハイスコアやパズル・ステージクリアの進捗を保存可能。なお、VC版と異なり中断(ゲーム終了)時の状態を自動的に保存し再起動時に再開できる「中断セーブ」(俗にいうレジューム機能)はないため、起動時はオリジナル版と同様に初期化された状態となる。 日本国外向けの同種サービス(SUPER NINTENDO ENTERTAINMENT SYSTEM Nintendo Switch Online)にも 一切ローカライズなしのオリジナル版 が配信されている。ほぼ四半世紀の時を経て日本国外で初めて公式にオリジナル版『パネルでポン』が遊べるようになった。 タイトル名に絡む権利の都合らしく海外版『Tetris Attack』は配信されていない。 VCやミニSFCに存在したBGMの再現不良は このバージョンでやっと 修正された。 ヨッシーのパネポン 【よっしーのぱねぽん】 ジャンル アクションパズル 対応機種 スーパーファミコンサテラビュー放送番組 発売元 任天堂 開発元 インテリジェントシステムズ任天堂 放送開始日 1996年11月3日 プレイ人数 1~2人 セーブデータ なし 判定 良作 ポイント キャラ差し替え+改良 マリオシリーズ ヨッシーシリーズ テトリスシリーズ パネルでポンシリーズ 概要(ヨッシー) パネルでポン海外版『Tetris Attack』を逆輸入しサテラビュー用番組として放送したもの。ところどころに改良が施されており、単なるキャラ変え海外版に留まっていない。 なお、海外版のタイトルには『テトリス』の名前が入っているがルールは全く関係なく、中身は日本版と同じパネポンである。 当時の北米や欧州では瞳の大きい少女漫画風のキャラクターが受け入れられなかったため、『スーパーマリオ ヨッシーアイランド』のキャラクターに総入れ替えした。結果として同作のスピンオフ作品にもなっている。 しかし赤ちゃんマリオや緑色以外の大人ヨッシーは登場しない。クッパは子供ではなく大人で、時系列は後のようである。 同時期にはゲームボーイ版も発売された(→ヨッシーのパネポン (GB) を参照)。SFC版はGB版の販促作品として放送されたが、内容は海外SNES版と同等であり、特に機能が制限されているわけではない。 変更された点 登場キャラクターを妖精からヨッシーアイランドのキャラに変更。 BGMやステージ背景などの多くはパネルでポンから流用されたが、一部は新規制作された。 ヨッシーのテーマ曲はヨッシーアイランドオープニングデモからのアレンジ、背景は新規書き起こし。花の世界のハナちゃんの曲は宝石の妖精ルビーの流用だが、背景は新規書き起こし。 リップのテーマ曲はルール説明時の専用曲として残留している。 バグ解消、システム変更ほか。 パネルでポン最大の難点だったおじゃまパネルのバグが解消されている。おじゃま返しが途切れることもない。 COMプレイヤーのアルゴリズムがただ素早くパネルを消去する傾向から、積極的に連鎖を仕掛けるよう変更されている。 1人用VSモードにもパスワードが導入され、完全クリアが容易になった。 オプションモードの追加。 これによりサウンドテストや対COMフリー対戦が可能になった。ただしサウンドテストではエンディングの曲を聴くことはできない。 COMプレイヤーは2Pだけでなく、1Pにも適用できる。2人用ゲームでCOM同士の試合を観戦するだけでなく、1人用ゲームをCOMプレイヤーに操作させることも可能。 だがエンディングは見られず、自力でのクリアを促すメッセージが表示される。 このほかメッセージの英語・日本語設定や、2P対戦時のセット数変更、『パネルでポン』ではタイトル画面で放置するしか見る手段のなかったキャラクタープロフィールの閲覧機能もある。 一部の演出が変更または簡略化された。 おじゃまパネルの柄が全員同じで1P.2Pの色違いのみになる、クッパを除くボス3人の背景とBGMが全員同じなど。 余談(ヨッシー) 元々の海外SNES版『Tetris Attack』の時点で、既にオプションにてENG(英語)とJPN(日本語)の切り替えができるようになっており、日本語に設定するとゲーム中のメッセージテキストが日本語(もちろんヨッシー版仕様)に翻訳されていた。 そのため日本語版の土台は当時から既に出来ており、SFC版はそこからタイトル画面など細かい部分を日本仕様に変えたものとなっている。 『パネルでポン』はVC配信、ミニスーファミやNintendo Switch Online収録など復刻の機会にかなり恵まれているが、当SFC版・海外SNES版・海外GB版はそれらで復刻・配信されたことはない。 海外版はテトリスを名乗ってしまったため、テトリスカンパニーとの権利問題や、そもそも中身はテトリスですらないのでタイトル名を一新しない限り出せない、というのが理由のようだ。
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マジックパネル(汎用パネル) 勇者の館ワールドの各所にちりばめられたパネル。 白いものと黒いものがある。 暗闇パネル、照明パネル、支援会話パネル、 スイッチパネルなど、用途は状況によって様々、 ありとあらゆるトラップに色々な形で使用されている。 それ故一見判別が雑なようにも見えるが、 勇者の館シリーズのトラップはどいつもこいつも 根こそぎシンプルなので、マップを見て、 一回乗ってみるだけで用途が分かる場合がほとんど。 それほど心配する必要も無い代物である。
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ピンパネル ピンパネルトゥックの別名。
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ブラタモリで天気が悪く景色が見えづらいときに使われる巨大パネル。最初に函館で実施したから函館方式とも呼ばれているんだ。 キッカケはタモリが、スゴイ曇っていて夜景が見えたくて写真引き伸ばして その前でやればって冗談で言って、スタッフが作ってみたら意外といい出来だったためそのまま採用だ。
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ボタンパネル Panels メニュー Panels Editing Panel Group ContextsLogic F4 Script Shading F5 Object F7 Edit F9 Scene F10 Sub-ContextsLamp Bottons Material Bottons Texture BottonsF6 Radiosity Bottons World Bottons Current frame Window Type 3Dview Buttoms Window Outliner Action editor UV/Image editor Timeline IPO Curve editor NAL editor Node editor video sequence editor Audio Window Text editor File Browser Image Browser Scripts Window User preferences パネル上を右クリックするとポップアップがでます。 Horizontal 水平に並び替え Vertical 垂直に並び替え Free 自由に配置 パネル上でマウスのミドルボタンをクリックするとコンテナの移動 スクロールでスクロール ctrl+スクロールでズーム出来ます。
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ワープパネル ダンジョン内のトラップの一種。 矢印パネルの形をしてワープする方向が 決められているタイプがある他、 無作為に設置されていて特定地点へ飛ばされる上に、 更に目視できない場合など、いくつかのバリエーションがある。
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野望と忠誠のすれ違い ◆7WJp/yel/Y 見るものに年季を感じさせるボロボロの壁と編みの荒くなった畳、お世辞にも綺麗な部屋とは言えない駄菓子屋の居間。 その居間で黒いマントを羽織り左目に眼帯をつけた怪しげな様子の老人がちゃぶ台の前に座り込んでいた。 老人の名は黒野 鉄斎、世界征服を目論む自称・悪の天才科学者である。 足元の不安定な闇の中を歩き回ったことが老体には厳しかったのか、ふぅっと息をついて奥から拝借したお茶をすすっていた。 もちろん、『ただ疲れたから』というだけで駄菓子屋に留まったのではない。 黒野も出来る事ならさっさとゴミ処理場に行き、何か亀田の技術を知ることが出来るものを漁りたい。 だが時間は六時ちょっと前、そろそろ放送とやらが始まる時間。 放送から何か推理できることがあるかもしれないので、落ち着いて考えるため駄菓子屋に留まったのだ。 (この放送で得れる情報は少ないじゃろうが……まあ、何かヒントがあるかもしれんしのぉ) 黒野は、亀田が何故殺し合いを開いたのか、ということが気になっていた。 人を集めてきて殺し合い――中々に非道な行いだ、人体実験に勝らずとも劣りもしない。 それが亀田の歪んだ欲を満たすためか、それともまったく別の目的があるのか。 殺し合いを開催した理由が分かれば亀田の虚を突くことが出来る可能性も高くなる。 ~~~~~~~~~♪ 早速、放送が始まった。 短い間音楽が鳴り響き、ん、ん……と小さな、息を吸い込むような音が聞こえる。 『おはよう! 諸君!』 そして音に続いた声を聴き、黒野は僅かに眉を潜めた。 (最初と声が違う……この感じ、機械で声を変えている音じゃぁないの、別人の声じゃ。 やはり我威亜党という組織はブラフではなく実在し、組織単位で殺し合いを企んだと考えて間違いはなさそうじゃのぉ。 ……しかし、無駄話しかしとらんの) 放送は黒野が想像していた事務的なものではなく、『チバヤシ公爵』なる人物の一人語りに終始している。 亀田の言っていた死者と禁止エリアの発表に移る気配すら全く感じない。 『……ん? なんであるか、チキン男爵? ああ、わかってるである、発表であろう?』 (チキン男爵……新しい名前じゃの。しかし公爵と男爵が居るとすると……間に入る侯爵・伯爵・子爵もおると見て構わんの。 もちろん他にも爵位を持っていない人間も居るに決まっておるじゃろうし、同じ爵位を持っている人間も居るじゃろう。 あの場に居た大勢の人数を誘拐するなど少人数で出来るわけが……待てよ、誘拐?) 『では、まずは禁止エリアの発表である』 一瞬、黒野の頭にちょっとした考えが浮かぶ。 だが、浮かんだ瞬間に禁止エリアの発表が始まったために考えを断念する。 自分の外れているかもしれない考えよりは命を大事にする程度には正常な思考は残っている。 大人しく禁止エリアの場所をメモし、それを見て地図に×印を書き込んでいく。 (……禁止エリアは島の端が多い。亀田はまだ禁止エリアで参加者を追い込むつもりはない、ということか) 『では次に……お待ちかねの死亡者の発表である!』 死者の発表までの間に頭に浮かんでいることをメモに書き込んでいく。 中には文章になっていないものもあるが、頭に留めておくよりは効率的だ。 『……もういいであるか? では発表である!』 その声が聞こえた瞬間、メモに書き込む動作を止めて新しいメモに死者の名前を書き込んでいく。 青野 柴夫から始まりアルベルト=安生=アズナブル、越後竜太郎と五十音順に名前が呼ばれていく。 多い、それが書きながらの黒野の感想である。 『以上! ……うむ! 最初の二人は陛下の手にかかったから引いたとしても十六人であるか! 四分の一以上もの人間がわずか六時間の内に誰かの手にかかってしまうとは…… 人間とは恐ろしいものであるなぁ~♪』 (十六人で四分の一と言うことは六十人ほどと言ったところか…… それにしてもわしが一人とも会っていない内に十六人も死んだのか。 ……その中にはたかゆき、もか。 まあ、データは残っておるからもう一度作れるが……それでもやるせないのぉ) 『あ、そうそう。 デイバックの中にこの殺し合いに参加した人間の名簿を入れておいたである。 まあ、早めに目を通したほうがいいであろうなぁ~、ではまた次の放送で会おう! 何人残っているか楽しみにしておこうではないか♪』 (名簿、今更か……最初から渡さなかったのに何か理由でもあるのか?) しかし黒野には名簿が何故今更支給されるのか、名簿に目を通す、などを行う前に考えておくことがある。 それは禁止エリアの発表の前に気づいたことだ。 誘拐した、と言うことでふと頭に過ぎった考え。 (わしは気づけばここに居た。ここに来る前は確か……寝とったの、研究も順調に進んでおったし。 靴は……我威亜党の連中に履かされたのかのぉ? まあいい、今はそこじゃない。 今考えること、それは他の人間はどのようにつれて来られたかについてじゃ。 わしと同じように寝ている状態から連れてこられたのか? それとも力ずくで意識のある状態から無理やり連れてこられたのか?) 誘拐の方法、黒野はこのことについて疑問に感じたのだ。 黒野は眠っているところを誘拐された、恐らく眠りが深くなるように催眠ガスを放り込まれたのだろう。 だが、他の人間が同じ方法をとられたとは限らない。 安全策を取るならば全員が眠っているところを襲うのが当然だろう。 だが、ひょっとすると誘拐される場面に意識がある人間がいるかもしれない。 そんな人間がいるとしたら、その時の出来事は非常に興味が湧いてくる。 ――――どのような方法で参加者を眠らせたか。 ――――誘拐した人間はどんな服装をしていたか。 ――――何か武器を装備していたか。 それらを知るだけでも亀田の技術へと近づくヒントとなる。 そのためにも他の参加者と進んで接触する必要がある。 「とにかく、出会った人間に片っ端から尋ねていけばいいだけじゃ。 今大事なのは亀田の技術を知り、この首輪を外すことじゃからのぉ!」 黒野にやることはたくさんある。 まずはゴミ処理場へと向かって、何か面白いものがないかを探す作業。 それと並行して首輪を外す工具を探す作業も行い、参加者とは率先して出会う。 どれも徒労に終わるどころか危険人物に襲われて死んでしまう可能性が高いが、当たればこれ以上となくでかい。 ハイリスクハイリターン、それもロマンの一つと言うものだ。 今にも零れてしまいそうな笑いと心から湧き上がる興奮を抑えながら立ち上がる。 その目はぎらついた獣のような目をして獰猛な笑みを浮かべている。 ソレも当然だ、黒野は終生の野望が達成されるまで死ぬわけにはいかないのだから。 【D-6/駄菓子屋/一日目/朝】 【黒野 鉄斎@パワプロクンポケット8】 [状態]:健康 [装備]:銃剣 [道具]:支給品一式、ランダム支給品1個(確認済み)、ノートパソコン(バッテリー消耗小)、駄菓子数個 [思考] 基本:亀田の技術を手に入れた上で生きて帰る 1:まずはゴミ処分所を目指す 2:首輪を外す ◆ ◆ ◆ 黒野が駄菓子屋から外へと踏み出した同時刻、ちょうど真南に当たる辺鄙なある民家。 その民家に第三世代アンドロイド・灰原が隠れるように身を置いていた。 その民家は古いわけでもなく新しいわけでもなく、『何処にでもあるような』という言葉が似合う家だ。 赤い屋根に白い壁の二階建て、庭は狭いが日当たりは良い。 ごく普通の平凡な民家。 そんな民家に、畳の広がる居間という部屋が世界一似合わないだろう男、灰原は居た。 灰原の目的はこの殺し合いで最後の一人になること。 傷はもちろん、疲労すらない今の状態で灰原が体を休める理由などない。 「……普通の野球ボール、か」 しかし、灰原にはその民家で休む理由が出来てしまったのだ。 ここに来る前、ちょうどC-7に当たる場所で出会った男、青野から奪った支給品の一つである。 青野曰く、この支給品は喋るボールという摩訶不思議な代物。 灰原はこれを調べることによって我威亜党の技術レベルを知ることが出来るのではないかと考えたのだ。 このことは近くに居た黒野にとってこれ以上とない幸いとなった。 刀を持ったアンドロイドと銃剣しか持たない老人の勝負など端から見えているのだから。 (……スピーカーというわけではないのか? いずれにせよ、解剖してみなくては判断出来んか……) 先ほどから軽く叩いてみたり、『おい』と声をかけてみたりしていたが何の反応も示さない。 目つきの鋭いスーツの男がピクリともしない野球ボールに話しかける姿はシュールだった。 しかし、何時までもボールと睨めっこを続けているわけにも行かない。 灰原は壁に立てかけていた刀を手にし―――― 「ちょ、ちょっと待つんじゃ! 喋る、喋るからその刀を下ろすんじゃい!」 身の危険を悟った野球ボールの叫びによって止められた。 「……何故黙っていた」 「お前さんみたいな危ない奴と話せるかい」 「ふむ……」 灰原の問いにしっかりと人間らしい答えを返してくる野球ボール。 このことから人工知能という線は薄いだろう、と灰原は当たりをつける。 確かに小さな野球ボールの中に脳の代わりとなるものを入れれるとは思えない。 可能性があるとすればスピーカーを埋め込んでいるか、灰原には知る由もない未知の技術を使われているか。 もしくは――――。 (……超能力者が絡んでいるのか?) 世の中に超能力者と呼ばれる体一つで超常現象を起こせる存在がいる。 ただの駒である灰原はそれほど詳しくないが、一口に超能力にも様々なものがある。 火を出すことが出来るというイメージのしやすい能力。 自分が行ったことのある場所へと体を通すことで物を行き来させることが出来るとんでもない能力。 その超能力者ならボールを喋らせる、ボールに人格を宿すという理屈を無視したことも出来るのではないかと灰原は考えたのだ。 「おい」 「……なんじゃい」 「何故ボールが喋る」 「わしは人間じゃ! ……まあ、確かに今はボールじゃがの」 「つまり、お前は人間だったのか?」 「そうじゃ……まあ、ちと理由あってこんな姿になってしまったが」 ボールは少し怯えを見せながらも灰原の問いに答えていく。 嘘をついている、ということを考えずにボールの言葉を素直に受け取ると元は人間だったらしい。 もし超能力だとすると、その能力は人格を別のものに移す能力、といったものだろう。 「ならば何故ボールの姿をしている」 「……話をしても、どうせ信じんじゃろ」 「痛みは残っているのか?」 カチリ、と刀を鳴らして灰原はボールを脅すように睨み付ける。 実際には興味深い対象であるので無傷のまま現物の状態でオオガミグループまで持ち帰りたい。 そのため、傷をつけるつもりはないのであくまでただの脅しに過ぎない。 しかし、ボールには十分な効果があったようだ。 「分かったわい! 言っとくが全部本当のことじゃからの!」 「……」 刀を仕舞い直し、周囲の警戒を解かずにボールの話へと耳を傾ける。 どこから声を出しているのかも謎、どう灰原を認識しているかも謎。 構造からして謎の物体、例を見ないという言葉はこんな時に使う言葉なのだろう。 そんな灰原の思案を他所にボールは目(のような物)を細めて喋り始めた。 曰く、自分は六年前まで息子を持つ普通の人間だった。 曰く、その子供とプロ野球を観戦しに行った際にホームランボールで頭を打ち死んでしまった。 曰く、しかし人間かどうかすら分からない奇妙な姿をした老人、野球仙人によって生き返ることが出来た。 曰く、その際に人間の体ではなくそのホームランボールの姿になってしまった。 曰く、そして、子供が六年以内に全国大会で優勝しないと今度こそ本当に死んでしまう。 「というわけじゃ」 「……」 「……何度も言うが嘘は言っておらんぞ」 話だけを聞くならばその野球仙人という老人が超能力者なのだろう。 最大の問題はその老人の能力だ。 本当にこのボールが死んでしまった所をボールとして蘇らせたのか。 それとも気絶していただけの所に意識をボールに移したのか。 前者ならばそれは強力な超能力という言葉では片付けられない神の領域だ。 後者でもボールという無機物に意思を宿らせる、という無茶を行っていることから高ランクの超能力者だ。 (聞いたこともなければこの男をボールにする意味も見出せない、特定の組織に属していないのだろう。 ――――貴重な存在だな。 超能力者は研究の余地がある、その被害者であるこれを持ち帰ることはオオガミに大いにプラスになる) 「おい、聞いているのか?」 「……デイパックの中から外の様子は分かるのか?」 「口が開けっ放しの時なら聞こえていたが……ところでこれはなんなんじゃ?」 「知らないのか?」 少し驚きの色を入れて灰原は逆にたずねる。 ボールは少しムッっとした表情(?)をして少しすねた言葉で答える。 「無知で悪かったの! わしはなーんも知らんわい! ……じゃがこれは異常じゃぞ、いったいなんなんだ?」 「亀田の――これを開いた男のことだ――言葉を借りるならば殺し合いだ」 「こ、殺し合い!? おい、いったいどう言う事じゃ!」 「詳しくは知らん、俺に聞くな」 灰原はボールオヤジの言葉を切り捨てて、デイパックの中へと放り込む。 そして、素早くデイパックの口のチャックを閉める。 「おい、ちょっと待た――――」 「……ほう」 瞬時に声が遮断される様子に感嘆の声を上げる。 デイパックへと耳を近づけるが僅かな音の一つも聞こえない。 どのような仕組みかは科学者ではない灰原は分からないとは言え、実物を持ち帰ることは我威亜党は拒否するだろう。 自分達の技術を敵となる組織に渡す人間が居るなら見てみたいものだ。 しかし、このデイパックとボールは持ち帰れば、オオガミグループにとってプラスに働くこと受けあいだ。 だが、灰原が最も優先すべきことはオオガミグループに亀田の属する我威亜党の存在と技術を伝えること。 デイパックとボールに気を配りすぎて死亡してしまっては元も子もない。 あくまでデイパックやボールの秘密は解明できればベストというだけの話。 皆殺しするまでに解明できなくても仕方ない、という扱いだ。 とは言え、名簿に部下である白瀬 芙喜子の名が載っていることによって保険も出来た。 先ほどの放送で名前で呼ばれてしまった青野よりも期待できる。 たとえ自分が失敗しても白瀬がオオガミグループに情報を持ち帰れば良い。 これで白瀬が生きている限り大胆に動くことが出来る。 それはデイパックとボール、首輪の解明にも手を伸ばせるということだ。 だが、同時に面倒なことも出来た。 名簿に載っていたもう一人の部下、八神総八郎のことだ。 性格テストから見ると殺し合いには消極的だろう、ひょっとすると我威亜党を倒そうと考えているかもしれない。 それは結構なことだが、恐らく殺し合いに積極的な人間も止めようとするだろう。 殺し合いに乗った灰原としてはその行動は非常に困る。 出来ることなら他の参加者が潰しあって、漁夫の利となる形が一番だ。 「……行くか」 いずれにせよ、邪魔になるものは誰であろうと殺し、邪魔にならずとも役に立たないのならば殺す。 それに八神はCCRに疑心を抱き始めている、この機会に処分するのも手だろう。 灰原にとっての最優先事項はオオガミグループへ情報を伝えること。 そのためならば彼はなんでもする、それが彼の役割なのだから。 【D-6/民家/一日目/朝】 【灰原@パワプロクンポケット8】 [状態]:健康 [装備]:正宗@パワプロクンポケット7裏、トムプソン(2/4)@パワプロクンポケット7裏 [道具]:支給品一式、ムチ@パワプロクンポケット7裏、とぶやつ@パワプロクンポケット8裏、ボールオヤジ@パワポケダッシュ [思考] 基本:優勝し、亀田の持つ技術をオオガミグループへと持ち帰る。 1:離れ島へと向かう。 2:見敵必殺、ただし相手が複数いる場合など確実に殺せないと判断した時は見逃す。 3:白瀬に指示を与えたい。 4:喋るボール(ボールオヤジ)を持ち帰る。 [備考] ※参加時期は不明、後続の書き手さんに任せます 【ボールオヤジ@パワポケダッシュ】 ※灰原に怯えています。 ※名簿は見ていないため走太の存在を知りません。 ※デイパックの口が閉じられた状態だと外の様子がわかりません。 投下順に読む 060 決意の朝に← 戻る →062 爆ぜる陰謀 時系列順に読む 060 決意の朝に← 戻る →062 爆ぜる陰謀 前へ キャラ追跡表 次へ 048 ロマンを求めて 黒野鉄斎 075 アンドロイドは笑わない 040 それぞれの思惑 灰原 075 アンドロイドは笑わない
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「っあー!また見逃しただと!?」 ストラウル跡地を歩きながら、海海は叫んでいた。 先日の出来事を隠し通そうとするノラ達から辛うじて訊きだせた情報に寄れば、つい最近この跡地で能力者の攻防が起こったらしいのだ。 そんな大事なものを見落とすなんて、オカルトマニアとしてなんたる不覚。 …そもそも、そう言った事件に全く遭遇したことがないのだが。 「もう見逃すものかと思ってたのに、悔しいなぁ、的な。」 上空を仰ぎながら海海は呟く。 当たり前だ。超常現象を求めていかせのごれに来たというのに、何一つとして遭遇していないのだから。 オレンジがかった世界で見ると、青い空が灰色で、灰色の空が赤くなる。 そんな非日常を求めているというのに、と、彼女は黒く見える眼を伏せ、ため息をついた。 その伏せた一瞬の間。 上空を飛んでいた一羽の鴉が、溶けるように消えた。 「…全く持って、忌々しいね。」 ビルの屋上に上っていた黒ずくめの男:シン・シーは、消えた鴉をまだ見るかのように呟いた。 手元には銀色のナイフ。予備で取り出していたものだ。 「空も『人外』のものだとでも言うのかな?」 彼には見えていた。 青い空を悠然と飛んでいた鴉を纏っていた『赤いオーラ』が。 妖怪の術によるものであると判断した彼は、ナイフを放ってその鴉を撃ち落としたのだ。 鴉が消える直前、何か紙のようなものが落ちたのも見えた。 恐らく連絡手段か何かだったのだろう。確認する必要がある。 「…ナイフを拾うがてら、回収しておこう。」 彼はそういい、階段に足をかけた。 段を跳ぶように降りながら、彼はふと思いついたことを口に出していた。 「…そうだ。人外と分かったなら、オーラの跡をたどって捕まえて、一網打尽にしてしまおう。」 「…っ!?」 アースセイバーのロビーにいたノラは、急に右腕に痛みを覚えた。 反射的に右腕を抑えてしゃがみ込む。 それに気がついた由衣が駆け寄った。 「おい、どうした?大丈夫か?」 「…あ、由衣ちゃん…。」 ノラはにっこりと笑って見せた。 「うん、ちょっと腕が痛んだだけだから大丈夫w」 「ならいいんだけど…。」 由衣と別れた後、ノラは少し深刻な表情を見せていた。 痛みの理由は分かる。作り出していた「黒妖犬」が、何ものかの手によって消されたのだ。 「犬」とは言っているが、その姿はいかようにもかえることができる。 小さな鴉を作り出し、主への報告書を託して飛ばしていたはずだったのだ。 「一体、誰が…。」 ノラはそう呟いたが、深くは考えなかった。 主への報告を断たれたので、面倒ではあるがテレパシーでもつかうか、と次の方法を考えていたのだった。